2019年5月14日火曜日

復活 電磁カタパルト実験 07

実に3年ぶりの再開です。

久々すぎるので前回までの実験を軽く振り返っていきます。

レールガン2号機での実験終了後、電磁カタパルトに実験をシフト。
レールガン3号機(電磁カタパルト1号機)での実験をスタートさせました。
しかし実験は難航。全く進まず現在に至ります。

2号機ほどではないにしても、大電流での使用を想定して作った3号機は、そもそも矛盾を抱えて実験していました。電流を抑える方向で実験が進んだからです。結果として効率の悪化を招きました。
オープンな構造上、ソリッドアーマチャしか使えないため大電流でも溶けない構造が必要でした。しかしこれを実現するにはレール幅20mmは小さすぎ、アーマチャはスパークしたり溶断したり。逆にアーマチャを大きくすれば摩擦が増えて止まったり。

一向に改善策は思いつかず…

そして実験動画を漁っているときにふと閃きました。


レール、いらないんじゃね?


つまりこういう事です。

これはもはやレールガンと言えるのか…?
ケーブルを直接アーマチャに接続、これによりレールが不要となり摩擦やスパークによる問題が一気に解消されます。
盲点でした。プロジェクタイル(というよりもはやカタパルトシャトル)の射出が不要となったからこそ可能となった仕様です。

早速これで実験してみました。
前回の実験からの変更点を述べると、一次加速バネ廃止、レール排除、磁場増強用の外周ケーブルが5.5sq(4ターン)から1.25sq(8ターン)となっています。

そして今回新しいアーマチャも試します。
命名:コイルアーマチャ
ローレンツ力を受けやすくするためにコイル状に銅線を配置します。
ただし問題もあります。進行方向から見ると前のー辺以外は電流の向きが逆なので、当然加速を妨げる向きに力が働きます。鋭角な三角形になっているのは真後ろに働く成分をなるべく減らす為です。

実際のアーマチャ
ちなみに後方二辺の角度は約24°、辺の長さは約28mm(前辺は23mm) 進行方向への力を100%として計算すると後方への力は64%。単純計算で進行方向の力は36%にまで減少します。
計算をミスってました…。三角形だと力の成分は相殺されて前後でゼロになりますが、鋭角付近がケーブルから離れたことでわずかにローレンツ力が弱まるため、結果として前進方向の力がわずかに勝るため進みます。

とりあえず80v 0.4F(1.2kJ)で実験してみたところ…

ピクリとも動かず、コイルが熱くなって皮膜が溶けてました。それもそのはず、実はPVC皮膜で銅線に見せかけたただの鉄線。抵抗が大きすぎてほとんどが熱として失われたみたいです。 エナメル線がないからって適当に代用したのがダメでした。
溶けた皮膜

エナメル線を買う前に、ひとまず1.25sqのコードで代用してみました。6ターン巻いてあります。
それと、コードを吊るす柱も即席で用意

実験してみると、ゆっくり、わずかに前進して停止。本当にわずかですが、アーマチャの方向性が間違っていないことが確認できただけで十分です。
この後、いつもの青色コンデンサバンクに切り替えて3kJ(232v)、4kJ(268v)で試してみました。結果は80vコンデンサよりは動くものの、誤差の範囲と言えるほど差はありませんでした。やっぱり放電時間が短すぎるんですね。

ほとんど動かないことが分かったので、外周ケーブルを後部だけに巻きなおし、8ターンから15ターンまで増やしています。

この状態で80vコンデンサで試したところ、これまでで一番はっきりと動きましたが、それでも動いた距離はほぼ変わらず。こればっかりは放電時間を何とかしないとどうしようもないので次はここを改善していきます。

次回へ続く。

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